2011年12月11日日曜日

糖尿病における代謝

それでは今回は糖尿病における代謝について軽くまとめます。



その前にまずインスリンについての最低限の知識です。
インスリンは膵臓のランゲルハンス島のΒ細胞で作られるホルモンで、機能としてはグルコースの取り込み促進、解糖促進、グリコーゲン合成促進、脂質合成促進などさまざまです。インスリンについてはまた詳しくお話します。


 ではインスリンが不足する、もしくは効かない糖尿病ではどのような代謝がおこっているのか。
インスリンはエネルギー源であるグルコースを血液から細胞内に取り込む働きをしています。その作用が不足すると、グルコースを細胞内に取り込めずエネルギーが不足します。生体はエネルギー源を糖以外から補給しなければいけません。代わりとなるものが脂肪と筋肉中のたんぱく質です。


脂肪の分解:脂肪組織のなかに蓄えられている中性脂肪が分解すると、脂肪酸とグリセロールができて、それが血液の中にはいります。グリセロールは肝臓に行って糖の代謝経路にいき燃えるが、遊離脂肪酸は肝臓にいくと、アセト酢酸、Βヒドロキシ酪酸、アセトンと呼ばれるケトン体を生成します。この進行がアシドーシスと呼ばれる糖尿病の一般的な症状へ。


筋肉中のタンパクの分解:タンパク質が分解すればアミノ酸ができます。そのアミノ酸が肝臓に送られます。肝臓でアミノ酸のアミノ基(NH2)がはずされます。はずれたアミノ基は尿素に変えられ血液中に尿素を放出します。


これが糖尿病における代謝異常の基本となるものです。


こういった背景からインスリンが不足している人はインスリンを打ち、こういった異常を改善していっているわけです。
 
ここで大事なのがインスリンを打っても代謝異常は改善されますが治療はできないということです。

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